入院生活94日目、ステロイド療法24日目とここまでのリハビリで学んだことの件その3。181115

いつも朝いちの、作業療法Y先生のリハビリ開始を待っていたら、検査の呼び出し。またもや不意討ちで神経伝導検査とSEP検査。
前回は10月2日だから一ヶ月半ぶり。今回は右腕と首筋をエコーで診る検査もやってもらった。上長らしき方がやってくださって、今までの技師さんに比べると動きに迷いや繰り返しがなく、ぺちぺち痛いのが比較的短時間で終わったので助かった。振り返れば前回はまともに歩行ができなくて、行きも帰りも車椅子に乗って行ってたのだから、だいぶ回復したことを実感する。

急に思い出したので備忘。昨日のリハビリでW先生に前から訊きたかったことを質問してみた。理学療法の「開業療法士」といった仕事はないのかと。答えは簡単だった。理学療法士の国家資格の業法に「医師の指示のもと、業務を行う」といった文言があるので、単独で開業することはあり得ないとのことだった。フリーランサー的に介護施設などにピンポイントで雇われて仕事したりする形態もあるらしいが、やはり医師の処方が前提での業務なので単独で開業しているとは言いがたいらしい。時々おられるのが柔道整復師として開業し、理学療法士としてのノウハウを中心に治療にあたるという方々。ただ、W先生は開業となるとただ治せば良いというだけではない部分も出てくるので云々、と少し深い話もして下さった。詳しくはど素人の俺があやふやな書き方をすべきでない話もあったので、備忘は以上。

でも、開業療法士って需要はすごくあると思うんだけどなぁ。我ながらしつこいなw
前のエントリで書いたような「オーダーメイドの運動メニュー作成」などは民間のフィットネスクラブのパーソナルトレーナーとかでもしてくれそうだけど、やはりクラブへの所属と設備の利用が前提となって、家でサクッとできる運動メニューというのとは違ってくるんじゃないかと思う。
俺としては今回の理学療法の施術を受けて最も恩恵が大きかったのは、歩行の修正だった。CIDPの症状としての歩行困難と症状の結果の運動不足による運動機能低下の修正、復旧が主目なのだけれど、付随して元々の歩き方にあったクセや欠陥も治していただいている。左脚の腿の筋力の弱さや動きの悪さは、CIDPの症状だと診断されたものだけれど、左足の足首の動作の不具合は、自分でも完全に忘れていた、二十歳前後に格闘技で痛めて三年ほどサポーターを付けて運動していたことに原因があるものだ。今日判明したのは、原因はさだかではないが右足の脹ら脛の筋力が左足のそれより有意に劣るということ。つまり俺の脚は左腿と左足首、右脹ら脛と、三ヶ所の修正すべき点、左右のバランス不良を抱えていて、そのうち二つはほぼ生来のものだったということだ。
今の俺の年齢までは、筋力を始めとした全般的な体力でごまかすことができていたが、CIDPがなかったとしてもいずれ近いうちに歩行に困難が出ていただろうと思う。それをまだ途中だけれど直してもらえていることは、現在だけでなく今後の20年、30年ののちにも恩恵がある俺の財産となっているはずだ。筋肉で補うのではなく正しい身体バランスで自然に無理なく歩くこと。それはさまざまに衰えていく高齢期に入っても自分の足で歩き続けられることに直結するからだ。
そういったことから、「運動」についての考え方も変わった。今までは前のエントリで書いたように不定期のジムワークがほぼ唯一の運動で、家でやるのは仕事に出掛ける前の腰痛体操くらい。その唯一のジムワークも決して間違ったことをしていたとは思わないが、高齢期に入り身体が衰えていくことを考慮したものではなかった。
あくまで健康維持が主目的。軽めのウェイトでマシントレーニングのみを正しいフォームで行う。フリーウェイトはやらない。ウォームアップとクールダウンをかねてエアロビ運動も。マシンも含めてインターバルは短めでついでに心臓もいじめる。
重視するポイントは「効率」。俺にとって運動は健康のための税金のようなもので、それ自体が娯楽となるものではほぼなかった。よって決まったメニューを手際よくこなし、早く終わらせることが重要だった。当然一つ一つの動作に集中してバランスを保つなんて考えていなかった。
というより、バランスを保つことを考慮から外すためにフリーウェイトをやらなかった。学生の頃は当然やっていた。フリーと違い何も考えないでも左右均等に負荷が掛かっていると思っていたのだが、昨日のリハビリでW先生に訊いて、自分の迂闊さに気がついた。
マシンレッグプレスだろうがマシンカーフレイズであろうが、片足でもトレーニングの動作はできるのだから、何も考えないでも均等に負荷が掛かっているなんて訳がない。アンバランスを助長はしないまでも、生来の左右不均衡はそのまま維持されて来たのだと思う。やはり集中力を伴った反復動作で修正する必要はあったのだ。
今後はこの入院で教わったリハビリメニューを継続し、主に「自然な、正しいバランスの歩行」を維持できるよう習慣としての運動を続けて行こうと考えている。いつものマシンメニューがこなせたらOK、無理せずいつものウェイトが挙がれば健康、では高齢期はダメなのだ。そのように「運動」についての考え方が変わったことが今回の入院の大きな収穫の一つと思う。目指すは自力で歩ける100歳だ。

しつこいけれど、そういった視点からも地域に「開業療法士」がいることは有用だと思うのだけどなぁ。ジムやその他の民間のトレーナーでは手技のマッサージなど手が出せない領域があるだろうし、やはり公的保険で費用をカバーできるのは得難いメリットだ。
公共福祉や社会体育という面でみても、決して高齢者スポーツを貶める積りはないが、スポーツができるほどの運動能力の高みを目指さなくとも、単に「自力で歩ける後期高齢者」を地域に増やすことを目指すことも、充分社会還元という意味での費用対効果も大きいと考える。その意味で、疾病や負傷の治療は必ずしも伴わないけれど、医療的知見の深い療法士による運動についての指導が定期的に受けられる何らかの仕組み、「掛かり付け療法士」といった仕組みの近隣への設置を期待してしまうのだ。

以上、最後は自分の治療とは関係なく、鼻息が荒くエントリも長くなった。とりあえずリハビリで教わったこと三部作は以上で終了。教わったことで肝心なポイントを書き忘れているような気もするけど、それはまた後のエントリで。